小野竹喬おのちっきょうは、明治めいじ２２（１８８９）年ねん、今いまの笠岡市笠岡西本町かさおかしかさおかにしほんまちで、商家しょうかの四男よんなんとして生うまれました。 　１４歳さいの時とき、画家がかになるため京都きょうとに行いき、栖鳳塾せいおうじゅくで絵えの勉強べんきょうをし、１５歳さいのときに先生せんせいから竹橋ちっきょう（３３歳さいの時ときに竹喬ちっきょうと改名かいめい）という名前なまえをもらいました。 　大正たいしょう５（１９１６）年ねん、セザンヌなどの影響えいきょうにより洋画ようがの手法しゅほうを取とりり入いれた「島二作しまにさく」が展覧会てんらんかいで特選とくせんに選えらばれました。大正たいしょう７（１９１８）年ねんには新あたらしい日本画にほんがの創造そうぞうを目指めざして、土田麦僊つちだばくせんらと国画創作協会こくがそうさくきょうかいをつくりました。 　大正たいしょう１０（１９２１）年ねんから半年間はんとしかんヨーロッパへ行いき、西洋美術せいようびじゅつを研究けんきゅうしました。帰国後きこくごは、文人画ぶんじんが（職業画家しょくぎょうがかでない知識人ちしきじんの制作せいさくする絵画かいが）への思おもいを深ふかめ、昭和しょうわ３（１９２８）年ねんに描えがいた「冬日帖とうしつちょう」で、素朴そぼくで瑞々みずみずしい独自どくじの風景画ふうけいがを完成かんせいさせました。 　戦後せんごは、日本にほんの伝統的でんとうてきな大和絵やまとえを新あらたに解釈かいしゃくし、明快めいかいで温和おんわな作風さくふうを確立かくりつしました。 　代表的だいひょうてきな作品さくひんには「奥おくの細道句抄絵ほそみちくしょうえ」があり、ずしんと、心こころの中なかまでしみこむあたたかさを感かんじられるような絵えだと言いわれています。７５年間ねんかんの画業がぎょうを通とおして、日本にほんの自然しぜんの美うつくしさを描えがき続つづけた画えは人々ひとびとに愛あいされています。 　竹喬ちっきょうの功績こうせきをたたえ伝つたえるため、昭和しょうわ５７（１９８２）年ねんに、笠岡市立竹喬美術館かさおかしりつちっきょうびじゅつかんが開館かいかんしました。