笠岡市教育委員会提供
木山捷平は、明治37(1904)年、今の笠岡市山口に生まれました。
捷平が文学への道を志したのは中学校時代からでした。父親に反対され学校の先生となった時期もありますが、文学への志を捨てきれず、大正14(1925)年に上京しました。詩人、そして小説家として作家活動をし、ふるさと笠岡の風土を素材にした詩や小説を多く残しました。
昭和19(1944)年、文筆活動の活躍の場を求めて旧満州国(今の中国東北部)に渡りましたが、現地で召集され軍に入隊し、終戦後、生死の間をさまよう難民生活を送りました。
昭和31(1956)年に発表した小説『耳学問』が好評で、昭和37(1962)年に戦争体験をもとに書いた長編大作『大陸の細道』によって人気作家としての地位を確立しました。
捷平の作品には、生活や交友のなかから題材を拾い上げ、それを文学に押し上げた私小説が多く、満州でのつらく苦しかった生活体験によって深められた人生観をもとに、のびのびとした、果敢な精神をもって描き出されたものが多いです。
捷平の顕彰と文学振興を目的として「笠岡市木山捷平文学選奨」という文学作品のコンクールが毎年開かれています。
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