「阿智神社あちじんじゃの秋祭あきまつり」は、豊作ほうさくを祝いわうもので、祭まつりの前日ぜんじつの土曜日どようびの夜よるには、境内けいだいで舞まいや雅楽ががく演奏えんそうなどが催もよおされ、日曜日にちようびは神輿みこしや布団太鼓ふとんだいこを載のせた千歳楽せんざいらくが町内ちょうないをめぐり、そこに獅子舞ししまいや「素隠居すいんきょ」が随行ずいこうします。
　「素隠居すいんきょ」とは、江戸時代えどじだいの頃ころ、高齢こうれいのため祭礼さいれいに参加さんかできない老夫婦ろうふうふが、自分じぶんたちの仮面かめんを作つくり、それをかぶらせてお供ともをさせたことが始はじまりと伝つたえられています。素隠居すいんきょは、翁おきなと媼おうなのお面めんをかぶり、御神輿おみこしや獅子舞ししまいに付つき添そって歩あるきますが、素隠居すいんきょの団扇うちわで頭あたまを叩たたかれると御利益ごりやくや１年間ねんかん無病息災むびょうそくさいで過すごせると言いわれており、頭あたまを叩たたいてもらうために近寄ちかよってくる親子連おやこづれもたくさんいます。また、本町ほんまちから東町ひがしまちにかけての各家かくいえで、通とおりに面めんした格子戸こうしどをはずして、屏風びょうぶを飾かざり、花はなを生いけて人々ひとびとをもてなす、「屏風びょうぶ祭まつり」も同時どうじに行おこなわれます。