「茶屋町ちゃやまちの鬼おに」は、岡山市おかやましの吉備津神社きびつじんじゃの温羅うら伝説でんせつにさかのぼるといわれています。温羅うらは鬼おにと伝つたえられていますが、早島町はやしまちょうの鶴崎神社つるさきじんじゃでは吉備津彦命きびつひこのみことを守まもる神様かみさまとしてまつられて、艮御崎うしとらおんざきとして信仰しんこうの対象たいしょうになっています。元々もともと茶屋町ちゃやまちの稲荷神社いなりじんじゃと住吉神社すみよしじんじゃは、艮御崎うしとらおんざき（温羅うら）と関かかわりはなかったようですが、茶屋町ちゃやまちの干拓かんたくに早島・帯江はやしま・おびえから多おおくの人ひとが入植にゅうしょくしたため、早島町はやしまちょうの鶴崎神社つるさきじんじゃの祭まつりの風習ふうしゅうが持もち込こまれたものと伝つたえられています。稲荷神社いなりじんじゃと住吉神社すみよしじんじゃの秋祭あきまつりでは、子こどもたちが鬼おにをはやし立たて、それを鬼おにが追おい掛かけ回まわすそのかけ合あいや鬼おにが神輿みこしとともに町内ちょうないを歩あるき回まわる姿すがたが茶屋町ちゃやまちの風物詩ふうぶつしとなっていました。
　しかしながら、戦争後せんそうごの混乱こんらんや交通規制こうつうきせいなどの影響えいきょうで昭和しょうわ３０年代ねんだいから４０年代ねんだいにかけて、一時期いちじき、鬼おにが姿すがたを消けしました。そこで、町民有志ちょうみんゆうしにより、昭和しょうわ５０年ねん（１９７０年ねん）に「茶屋町ちゃやまちの鬼保存会おにほぞんかい」が結成けっせいされました。そこで、鬼おにの由来ゆらいを調しらべ、鬼面きめん作つくりの奨励しょうれい、古ふるい鬼面きめんの保存ほぞん、鬼おにの歴史れきしと普及ふきゅうの研究けんきゅう、他市町村たしちょうそんにある鬼行事おにぎょうじの研究けんきゅうを中心ちゅうしんに活動かつどうを始はじめました。その後ご、地域ちいきの催もよおしへの参加さんかや、茶屋町ちゃやまちの鬼おにを中心ちゅうしんとしたイベントの企画きかく･運営うんえいを行おこなうようになりました。