福山ふくやまの西斜面にししゃめんには６世紀せいき後半こうはん～７世紀せいき中なかごろの群集ぐんしゅうした古墳こふんが数群すうぐんあり、これらを三因みより古墳群こふんぐんと総称そうしょうしています。このうち、最南端さいなんたんに位置いちする６７基きからなる古墳群こふんぐんを峠とうげ古墳群こふんぐんと呼よんでいます。峠とうげ古墳群こふんぐんのうち、１～３号墳ごうふんが村道そんどうの拡幅工事かくふくこうじにかかることから、平成へいせい５(１９９３)～平成へいせい６年にかけて発掘調査はっくつちょうさが実施じっしされました。
　その結果けっか、１号墳ごうふんは径けい約やく１１mの円墳えんふんで、墳丘ふんきゅうの築造ちくぞうには人頭大じんとうだいの石を多く使つかっていたことがわかりました。２号墳ごうふんは径けい約やく９mの円墳えんふんで、１号墳ごうふんと同じく７世紀せいき前半ぜんはんのものですが、より新あたらしい段階だんかいのものです。３号墳ごうふんは径けい約やく１０mの円墳えんふんと考えられていますが、円弧えんこを描えがかず直線的ちょくせんてきで鈍角どんかくにとがることから、多角形墳たかくけいふんの可能性かのうせいもあります。６世紀末せいきまつ～７世紀初頭せいきしょとうに築造ちくぞうされ、最終さいしゅう埋葬まいそうは７世紀末せいきまつ～８世紀初頭せいきしょとうと考えられます。３号墳ごうふんの第だい２石室せきしつは、長さ２.７m、幅はば０.７６mをはかる小規模しょうきぼな横穴式石室よこあなしきせきしつです。３号墳ごうふんの墳丘ふんきゅうの端はしに接せっして、古墳こふんを取とり巻まく堀ほりの中に築きずかれた特異とくいなもので、県内けんないでは他ほかに例れいをみません。
　墳丘ふんきゅうの形状けいじょうや、石室せきしつの築造ちくぞうが特異とくいであることから、１～３号墳ごうふんは移築いちくして、築造ちくぞう当時とうじの姿すがたに復元ふくげんし、この場所ばしょを歴史広場れきしひろばとして公開こうかいしています。