西林國橋にしばやしこっきょうは、明和めいわ元がん（１７６４）年ねん今いまの高梁市落合町福地たかはししおちあいちょうしろちの神主かんぬし、西林玄蕃忠盛にしばやしげんばただもりの次男じなんとして生うまれました。
　国橋こっきょうは青年期せいねんきに神道しんどうや国学こくがくを学まなんだ後あと、京都きょうとへ出でて国学こくがくを学まなびました。
　文化ぶんか元がん（１８０４）年ねんに帰郷ききょうした後あとに、母ははの生家せいかであった日名村ひなむら（現在げんざいの成羽町上日名なりわちょうかみひな）で神官じんぐうを務つとめるとともに、近在きんざいの子供こどもたちに国学こくがくを教おしえていました。國橋こっきょうはかねてから、岡山県おかやまけんの備中地区びっちゅうちくの農村のうそんで演えんじられていた荒神神楽こうじんかぐらが、基本的きほんてきな芸能要素げいのうようそだけではつまらないと感かんじていたため、国学こくがくの素養そようを取とり入いれて『古事記こじき』や『日本書紀にほんしょき』に題材だいざいを求もとめた演劇風えんげきふうの神話劇創作しんわげきそうさくに取とり組くみました。そうして誕生たんじょうしたのが「大蛇退治だいじゃたいじ」、「岩戸開きいわとびら」、「国譲くにゆずり」の三編さんぺんで構成こうせいした「神代神楽じんだいかぐら」です。
　國橋こっきょうが基礎きそを創つくった神代神楽じんだいかぐらは、その後ご、神楽面かぐらめんと衣裳いしょうのはなやかさや美うつくしさを競きそうようにもなり、郷土芸能きょうどげいのうとしての備中神楽びっちゅうかぐらを代表だいひょうするものになりました。