「虫送むしおくり祈祷きとう」は、稲いねの害虫がいちゅう駆除くじょと豊作祈願ほうさくきがんを合あわせて、疫病退散えきびょうたいさん・万民快楽ばんみんかいらくをお祈いのりする行事ぎょうじです。市岡阿弥陀堂いちおかあみだどうの「虫送むしおくり祈祷きとう」は、他ほかの名前なまえを「土用念仏どようねんぶつの大数珠おおじゅず回まわし」といって、新見市にいみしの市岡いちおか地区ちくに４００年ねん以上いじょう前まえから伝つたえられていて、毎年まいとし７月がつの第だい４日曜日にちようびに行おこなわれています。
　行事ぎょうじの内容ないようは、直径ちょっけい１２～１５ｃｍセンチメートルの大玉おおだまを１０８個こ繋つないで、１０ｍメートルを超こえる大数珠おおじゅずを作つくり、鐘かねの音おとに合あわせてゆっくりと大数珠おおじゅずを止とめることなく回まわして、「南無阿弥陀仏なむあみだぶつ」と唱となえ続つづけます。行事ぎょうじが終おわったあと、地区ちくの人ひとたちは青竹あおたけの先さきを割わって祈祷札きとうふだを挟はさんで水田すいでんの川下かわしもに向むけて立たてます。このことが、害虫がいちゅうを下流かりゅうへ追おい払はらう意味いみがあるため「虫送むしおくり」と呼よばれるようになったといわれています。