亀山焼かめやまやきは須恵器すえきによく似た土器どきです。その色は普通灰色ふつうはいいろで、 甕かめや壷つぼの表面に格子目こうしめの文様もんようがついているのが特徴とくちょうです。玉島八島たましまやしまから玉島陶たましますえにかけての丘陵一帯きゅうりょういったいを中心にして鎌倉時代かまくらじだいのはじめ頃ごろから盛さかんに焼やかれ、この地域には窯かまの跡あとが点在てんざいしています。
　亀山焼かめやまやきは、日常生活に利用された土器どきで、 玉島たましまが海運かいうんに恵めぐまれた場所であることから瀬戸内せとうち一帯いったいを中心に広い範囲はんいに流通りゅうつうしていました。有名な広島県ひろしまけんの草戸千軒遺跡くさとせんげんいせきからも大量に発見されています。
　しかし、この焼やき物ものはやがて備前焼びぜんやきに圧倒あっとうされるようになり、 室町時代むろまちじだいには窯かまの火も絶たえてしまいました。
　指定していされている窯跡かまあとは神前神社かんざきじんじゃの境内けいだいにあります。すでに窯かまそのものは地下に埋うまっていますが、この窯かまで焼やかれた焼やき物ものの破片はへんがたくさん散ちらばっているのを今でも見ることができます。