この宝塔ほうとうは、当時とうじ尊瀧そんりゅう院いんにおられた桜井宮さくらいのみや覚仁法親王かくにんほうしんのうと冷泉宮れいぜいのみや頼仁親王よりひとしんのうが、隠岐おきで亡なくなった父君ぎみ、後鳥羽ごとば上皇じょうこうの一周忌しゅうき供養くようのために仁治にんじ元(１２４０)年に建たてたものと伝えられています。
　高さ約３.８m、花崗かこう岩製がんせいの大宝塔で、塔身とうしんは円筒えんとう、首部しゅぶ・高欄こうらんは一石で作られており、高欄には天女が刻きざまれています。
　軒口のきぐちの造つくりや軒反のきぞりには、鎌倉かまくら時代じだいの特色とくしょくがよく示しめされています。仁治ごろに造られたのはほぼ確たしかであるとされ、堂々どうどうとした姿すがたが伺うかがえます。