吉備高原きびこうげんの西端せいたんに位置いちする山間小集落さんかんしょうしゅうらく、絵具那地区えぐなちくでは、山盛やまもりのご飯はんを平たいらげ、五穀豊穣ごこくほうじょうや家内安全かないあんぜんを祈願きがんする「大飯祭りおおめしまつり」が行おこなわれています。
　鎌倉時代かまくらじだいから始はじまったと伝つたえられる奇祭きさいで、豊玉姫神社とよたまひめじんじゃ（荒神社こうじんじゃ）の産子うぶこが持もち回まわりで大当番だいとうばんを務つとめ、毎年まいとし１０月がつ２６日にちに行おこなわれます。
　祭まつりは昼下ひるさがりから始はじまり、宴うたげが佳境かきょうに入はいると、「権現様ごんげんさまのおごっくう」の行事ぎょうじが始はじまります。
　大釜おおがまで炊たかれた２斗との大飯おおめしが登場とうじょうし、「繁盛はんじょう！繁盛はんじょう！」の大おおきな掛かけ声ごえに合あわせ、大おおきなしゃもじで豪快ごうかいに盛もり付つけていきます。 最後さいごに大当番だいとうばんが受うけて、みんなで一緒いっしょにいただくのですが、一升飯いっしょうめしが盛もられた本善ほんぜんが、ずらりと並ならんだ座敷ざしきは実じつに壮観そうかんです。
　 食たべきれないお神飯ごっくうは、神様かみさまのお供そなえ物ものとして各産子かくうぶこの家いえへ届とどけられ、産子全員うぶこぜんいんが無病息災むびょうそくさいのお陰かげをいただくそうです。