「頭打ちかしらうち」は、秋祭あきまつりに御神幸ごしんこうの供養楽くようらくとして実みのりの秋あきに感謝かんしゃを込こめて奉納ほうのうされる伝統的でんとうてきな郷土芸能きょうどげいのうで、秋祭あきまつりを彩いろどる中心行事ちゅうしんぎょうじです。「渡り拍子わたりびょうし」「楽打ちがくうち」などとも呼よばれていて、鐘かねや太鼓たいこと一緒いっしょに頭あたまが羽毛うもうで作つくられた飾かざりをつけることから、この名前なまえがつけられました。
　行事ぎょうじの内容ないようは、社やしろの境内けいだいで子こどもたちが４人にん１組くみで鐘かねの音ねに合あわせて太鼓たいこを打うち鳴ならし飛とぶように踊おどります。元もとは男子だんしだけで行おこなわれていましたが、最近さいきんでは女子じょしも加くわわって奉納ほうのうされるようになっています。衣装いしょうや音楽おんがくは、それぞれの神社じんじゃによって少すこしずつ違ちがいますが、頭あたまには、花笠はながさや尾長鳥おながどりの尾羽根おばねと馬うまの毛けなどで作つくった「おごり」などをかぶります。
　新見にいみ市内しないでは１０月がつから１１月がつ頃ごろ、神郷しんごう・哲西てっせい・哲多てった地区ちくなどの秋祭あきまつりで行おこなわれます。なかでも哲西町大竹てっせいちょうおおたけ地区ちくの神社じんじゃでは、「おごり」をかぶって踊おどる様子ようすが勇いさましくで、他ほかの地区ちくでは見みることのできない珍めずらしいものです。おおよそ１１月がつ中旬頃ちゅうじゅんごろまでにはすべての地区ちくでの「頭打かしらうち」が終おわることとなります。