「おわけ祭まつり」は、浅口市鴨方町小坂東地内あさくちしかもがたちょうこさかひがしちないの八幡神社やはたじんじゃに伝つたわる神事しんじで、浅口市無形民俗文化財あさくちしむけいみんぞくぶんかざいに指定していされています。小坂東地区こさかひがしちくに鎮座ちんざする八幡神社やはたじんじゃの大祭たいさいに先立さきだち１０月がつ５日にち深夜しんやに行おこなわれる「おわけ祭まつり」は、神功皇后じんぐうこうごうが三韓征伐さんかんせいばつの帰途きとの際さいに寄島よりしま（三郎島さぶろうじま）に立たち寄より、小坂こさかの郷さとから従軍じゅうぐんして手柄てがらを立たてた３兵士へいしとの別わかれの儀式ぎしきを催もよおしたという故事こじに基もとづづくものです。
　本祭ほんまつりの青竹あおたけは、神かみの降臨こうりんする依代よりしろとも考かんがえられる始はじまりの古ふるい民俗的みんぞくてきな行事ぎょうじである。長ながさ６間げん（役やく１１ｍメートル）、周囲しゅうい７寸すん（約やく２４㎝センチメートル）の笹ささが付ついた青竹あおたけを囲かこむように円錐状えんすいじょうに新稲藁しんいなわらで蔽おおった「おわけ様さま」の前まえに、白しろい振袖ふりそでに黒色くろいろの帯おびを締しめた小学生しょうがくせい３人にんの当子とうご・当親とうおやと寄当総代よりとうそうだいが着座ちゃくざし、暗闇くらやみの中なかで静しずかに厳おごそかに神事しんじが行おこなわれます。
　神事しんじの最後さいごには、大原焼おおはらやきの擂小鉢すりこばちでお神酒みきをいただき、その後ご、背越せごしにかわらけを投なげ、割われると幸先さきさきが良よいという擂小鉢すりこばちの神事しんじが行おこなわれます。多少たしょう簡略化かんりゃくかしたものの毎年まいとし厳粛げんしゅくに行おこなわれ、地区民ちくみんの支ささえにより伝承でんしょうされている貴重きちょうな民俗行事みんぞくぎょうじです。