「かいごもり祭かいごもりまつり」の始はじまりは次つぎのように伝つたえられています。元弘げんこう２年ねん（１３３２年ねん）に、後醍醐天皇ごだいごてんのうが隠岐おきへ流ながされる途中とちゅうに新見市唐松にいみしからまつの国司神社くにしじんじゃで休息きゅうそくされました。この時とき、その地区ちくの男性は天皇だんせいてんのうを警備けいごするために神社じんじゃに集あつまり、女性じょせい・子こどもは戸とを閉しめて家いえにこもり火気かきを止とめて慎つつしんだといわれています。これをお聞ききになった天皇てんのうはたいへん喜よろこばれ、この神社じんじゃに対たいして甲冑かっちゅうと矢や１本ぽんを奉納ほうのうし、また田たを置おいて位くらいを下賜かししました。そのため、この地ちを「位田くらいだ」と呼よび、この祭まつりを「皆籠祭かいごもりまつり」と呼よぶようになったそうです。
　お祭まつりの当日とうじつは、岩山神社いわやまじんじゃでの神事しんじの後あと、社人もりびと２人ふたりと供人ともびと１人ひとりで神社じんじゃを出発しゅっぱつし、田津川たづがわで身みを清きよめ、白装束しろしょうぞく・わらじ掛がけに着替きがえて奥宮おくみやを目指めざします。鳥居とりいに差さし掛かかったところで、そばにまつる国司宮くにしぐうの小社しょうしゃで白餅しろもち・粟餅あわもち・榊さかき・弓ゆみの矢鞆やどもなどを供そなえてまつり、祝詞のりとを奏上そうじょうします。ここから上うえには、杜人もりびと・供人ともびと以外いがいにはあがることができません。続つづいて、中御崎なかみさきの国司宮くにしぐうで麹こうじ・長刀なぎなたなどを供そなえて祝詞のりとを奏上そうじょうします。奥宮おくみやでは、供人ともびとが持もって上あがった麹こうじ・御弊ごへい・お山銭やませんなどを供そなえてまつり、その後あとサイコロで各地区かくちくの吉兆きっちょうを占うらないます。