「湯立ゆたての神事しんじ」は船川八幡宮秋季大祭ふなかわはちまんぐうしゅうきたいさい前日ぜんじつの１０月がつ１４日にちに同宮どうぐう拝殿はいでん前まの境内けいだいで行おこなわれます。この神事しんじでは、あらかじめ拝殿はいでん正面前しょうめんまえに祭壇さいだんを作つくり、祭壇さいだんと拝殿はいでんの間あいだに水みずを入いれた鉄製てつせいの釜かま１２個こを２列れつに並ならべます。祭壇さいだんには白米はくまい・玄米げんまい各かく１合ごう・角樽つのだる１対つい・御弊ごへい２柱ちゅう・杓しゃく２本ほん・木綿もめんの白布はくふ１反たん・湯笹ゆささ２本ほんを供そなえ、午後ごご７時じになると神職しんしょくの２人ふたりが祭壇さいだんの前まえに座すわって、係員かかりいん２人ふたりがそれぞれの釜かまの下したの薪まきに火ひを着つけます。つづいて、神職しんしょく２人がそれぞれ御弊ごへいを取とり、２列れつの釜かまに向むかい合あって湯ゆをかきまぜます。係員かかりいんが白布はくふを両方りょうほうの釜かまの上うえに引ひき渡わたすと、神職しんしょくがそれぞれの釜がまごとに神歌しんかを歌うたいながらお湯ゆを掛かけて、湯ゆこしを終おえます。その後あと、束たばねた笹ささをお湯ゆにつけて清きよめを行おこない、笹ささを持った神官しんかんはお互たがいに清きよめ合あい、さらに、境内末社けいだいまっしゃ、斎主さいしゅ・参拝者さんぱいしゃのお清きよめを行おこないます。湯立ゆたての後あと、拝殿はいでんで宵祭祭典よいまつりさいてんが始はじまります。祭典さいてんは斎主さいしゅと神官しんかん１２人にんによって行おこなわれ、巫女みこ２人ふたりが浦安の舞うらやすのまいを奉納ほうのうし、最後さいごに玉串奉奠たまぐしほうてんが行おこなわれて終了しゅうりょうとなります。
　この湯立ゆたての神事しんじは、豊作祈願ほうさくきがんや無病息災むびょうそくさいをお祈いのりするとともに、その年としの運勢うんせいを占うらなう神事しんじとも伝つたえられています。