高松城水攻地理たかまつじょうみずぜめちりの図ずには、天正てんしょう１０（１５８２）年ねん、羽柴はしば（豊臣とよとみ）秀吉ひでよしが高松城たかまつじょうに水攻みずぜめをおこなったときの様子ようすが描えがかれています。 　古川古松軒ふるかわこしょうけんは、享保きょうほう１１（１７２６）年ねん、今いまの総社市新本そうじゃししんぽんに生うまれました。 　古松軒こしょうけんは江戸時代後期えどじだいこうきの旅行家りょこうか、地理学者ちりがくしゃとして有名ゆうめいであり、天明てんめい３（１７８３）年ねん３月末がつまつから９月がつにかけて、山陽さんよう、九州きゅうしゅうを巡めぐり、『西遊雑記さいゆうざっき』を書かきました。また、巡検使じゅんけんし（幕府ばくふから派遣はけんされた視察団しせつだん）について東北・北海道とうほくほっかいどうに行いったときには『東遊雑記とうゆうざっき』を書かきました。 　ずば抜ぬけた測量技術そくりょうぎじゅつを持もち、「百聞ひゃくぶんは一見いっけんにしかず」という学問がくもんの姿勢しせいで、自分じぶんの目めで見みて事実じじつと経験けいけんを重視じゅうしする実証的じっしょうてきなな地理学者ちりがくしゃでした。また、多おおくの地図ちずや地誌ちしを書かき残のこし、資料しりょうとして当時とうじの情景じょうけいを伝つたえています。 　単たんなる地理学者ちりがくしゃではなく、写生画・和歌・歴史しゃせいがわかれきしなど高たかい教養きょうようの持もち主ぬしで、江戸幕府えどばくふの老中ろうじゅう・松平定信まつだいらさだのぶからも一目置いちもくおかれた人物じんぶつでした。江戸えどから戻もどったあとは引退いんたいして、岡田村おかだむら（今いまの倉敷市真備町岡田くらしきしまびちょうおかだ）に住すみ、そばにあった松まつに因ちなみ、古松軒こしょうけんと称しょうしました。