田中堂たなかかいどうは、明治めいじ２９（１８９６）年ねん、今いまの小田郡矢掛町おだぐんやかげちょうに生うまれました。 　大阪貿易学校おおさかぼうえきがっこうを卒業後そつぎょうご、書しょを川谷尚亭かわたにしょうていに、漢文かんぶんを藤澤黄坡ふじさわこうはに学まなびました。また、独学どくがくで古筆こひつを研究けんきゅうし、古写経こしゃきょうの研究けんきゅうでも大おおきな成果せいかをあげ、「書道しょどうより見みたる日本写経史研究にほんしゃきょうしけんきゅう」で文学博士ぶんがくはくしの学位がくいを受うけました。 　昭和しょうわ２２（１９４７）年ねんに宮内省くないしょうに、後のちに帝室博物館ていしつはくぶつかんに勤つとめ、奈良国立博物館調査員ならこくりつはくぶつかんちょうさいんとなりました。 　戦後せんご、日展にってんの審査員しんさいんとなり、日本書道にほんしょどうの和様部門わようぶもんで活躍かつやくしました。 　昭和しょうわ４１（１９６６）年ねんに帝塚山学院大学てづかやまがくいんだいがくの教授きょうじゅとなり、昭和しょうわ４３（１９６８）年ねんに中華民国中華芸術院ちゅうかみんこくちゅうかげいじゅついんから中国哲士ちゅうごくてっしの称号しょうごうを受うけました。 　また、昭和しょうわ４４（１９６９）年ねんには、日本芸術院賞にほんげいじゅついんしょうを受賞じゅしょうしました。 　矢掛町東三成やかげちょうひがしみなりにある「筆塚ふでづか」は、塊堂かいどうが書作活動しょさくかつどうを行う中おこな　なかで、道具どうぐに対たいする恩おんに報むくいようと中国ちゅうごくの故事こじに習ならって建立こんりゅうされたものです。 　塊堂かいどうの作品さくひんの多おおくは、やかげ郷土美術館きょうどびじゅつかんに展示てんじされています。