おおひしまのさす
瀬戸内海のなかほどに位置する大飛島にある、沖に向かって突き出したような形の細長い砂浜で、学術的にはこれを砂嘴といいますが、地元では「砂州」と言い習わされています。
この砂嘴は、大飛島の東北端、字「洲ノ南」の砂浜から、対岸の小飛島の方向に向かって細長く突出しています。かつては長さ300m、幅20~30mとも言われており、潮が満ちればかくれ、潮が干れば長大な姿を現して、不思議な光景を見せていました。その姿は、島の沿岸を流れる潮流の絶妙なバランスによって自然に形成された、まさに自然の神秘といえます。
昭和の初期頃までは中央が高く盛り上がり、長大な姿を見せていた砂嘴も、隣接する大浦港を整備したことによる潮流の変化や海砂採取の影響から、次第に衰退しています。