おおがのおしかぶせ
地層の堆積は、古い時代の地層の上に新しい時代のものが堆積するのが普通ですが、ここでは、中生代三畳紀(約2億年前)の地層(成羽層群)の上に、古生代石炭紀(約3億5000万年前~2億8000万年前)の地層が堆積していて、不自然な状態となっています。これは、大規模な地殻変動によって、地層が横から押され、上にふくらみ、さらにふくらんだ部分が倒れこんだり、ずれたりし、その後に上部が削られてできたと考えられています。そうした状態を「押し被せ」と呼び、大賀の押被(大賀デッケン)と呼ばれていました。
これは、地質学の学会のなかで、1970年頃まで支持されていましたが、その後の詳しい調査・研究により、断層の証拠が認められないことから、実際は押し被せではなく不整合面露頭であることが判明しました。不整合は断層よりも保存されにくく、またここでは不整合面が、後の地殻変動でさらに逆転しているため、以前にも増して学術的に貴重です。
※不整合・・・地層が堆積する時に、時間的に大きな断続があり、それによって地層が不連続になること。堆積がほぼ連続してできた地層を整合といいます。