「渡わたり拍子びょうし」は、芳井町西三原よしいちょうにしみはらの糸崎八幡神社いとさきはちまんじんじゃと東三原ひがしみはらの中山天神社なかやまてんじんじゃの例祭れいさいの日ひに催もよおされる秋祭あきまつりの神事しんじです。祭典さいてんは「御湯立神事おゆたてしんじ」、「渡わたり拍子びょうし」、「巫女舞みこまい」、「御神幸ごしんこう」の儀ぎからなります。中なかでも「渡わたり拍子びょうし」は、「御神幸ごしんこう」の先払さきばらいとして行おこなわれるもので、足拍子あしびょうしや手拍子てびょうしを取とって歌うたう踏歌とうかの一種いっしゅで、鎌倉かまくら・室町幕府むろまちばくふが行おこなっていたものが地方ちほうに広ひろがったといわれています。
　男衆おとこしゅうが頭あたまに尾長鶏おながどりの羽はねで作つくった赤熊しゃぐまと呼よばれる冠かんむりをつけ、鉦かね・太鼓たいこを叩たたきながら跳はね踊おどります。中世ちゅうせいの古式こしきを現代げんだいに伝つたえる壮麗そうれいなもので、「渡わたり拍子びょうし」を中心ちゅうしんに一連いちれんの神事しんじがよく伝承でんしょうされています。