日本にほんでは多種多様な「おまつり」を伝えています。とくに、行事ぎょうじや芸能げいのうは、その土地とちでの安全あんぜんと豊穣ほうじょうの継続けいぞくを願っての信仰しんこうに基づいています。しかし、日本にほんでの信仰しんこうは、一神教いっしんきょうではなく、神かみさま、仏ほとけさま、ご先祖せんぞさま、そして八百万やおよろずの神々かみがみ。自然しぜんや諸霊しょりょうを尊ぶもので、宗教的しゅうきょうてきな対立たいりつとは無縁むえんです。そのそところでの幸せしあわせを、いまいちど振り返りふりかえり、私わたしたちも継承けいしょうしてゆきたい、と思おもいます。

神崎宣武（民族学者）